ドイツの森の散歩道 2020〜

ドイツ生活はや10年以上。これまでのブログはexcite blog「ドイツの森の散歩道」

「いい奥さんになりそう」は侮辱的と思うドイツ育ちの息子、ナイス!

高校生の息子がNetflixでハマっている、日本の某リアリティショー。

 

20代後半の男性が、20代前半の女性が料理をする様子にこう言いました。

「いい奥さんになりそうな感じだね!」

 

それを見た息子、心底驚いた表情で

「(こんなこと言って)これ、いいの!? なんか、侮辱してるみたい」と。

 

「一応、この人、褒めてるんだけどね。ドイツでは褒め言葉にならない?」

「うん、家事しかできないってばかにしてるように思われそう…」

 

よしよし、息子、いいぞ!

 

 

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いや、私だって主婦やってきましたからね、「家事しかできないバカ」とは全く思っていませんよ。

でもでも、遙か昔、OLの頃から「いい奥さんになりそう」が妙齢の女性へ褒め言葉のニュアンスで使われるのに、内心辟易しておりました。

それが女性のあるべき姿だと押し付けられている気がして。

もしもそう言われたら「そうかな?ありがとう」くらいは調子合わせておきましたけどね。

(いや、言われること自体、滅多になかったか…???)

 

20代前半の頃、当時の彼に「お料理習いなよー、奥さんは料理上手がいいな♪」と無邪気に言われカチンと来て、「だったらコックと結婚すれば」と言い放った私です。

内心どうあれど「そうね、習ってみようかな♪」くらい言う可愛げも必要と、歳を経てからは思いますけどね。

こんなだから日本人と結婚できなかったのかもしれませんね 苦笑…

 

 

その後 海外を点々とし、結果的に若かりし頃の鼻息の荒さの割には大したキャリアも積み上げられず、ならばせめて家族と楽しく、と家事やインテリアに人並み程度に気を配るようにはなりました。50歳も近くなってやっと…。

ですが、それらを「女性が担当して当然!」という感覚を息子には持って欲しくなかった。

 

さらに説明すれば、私が「女性だけが家事をする」のに激しく反発心を持ったのは、兄が二人という環境にもあります。

さぞや可愛がられてお姫様状態だったでしょう…と想像されがちですが、昭和10年代生まれで専業主婦の母に育てられ、大正生まれの祖母とも同居で、家事のお手伝いは常に「女の子だから」と私だけ。「手が動かせるなら女の子だろうが男の子だろうができるのに、なんでいつも私なのよ???」と子供心に感じた強い理不尽さ。

 

現在の我が家はというと、仕事が多忙な夫、海外で「ちょこキャリ」に甘んじた私、結果的に平日は家事の大半を私が担当しており、一般的なドイツ家庭に比較すれば、かなり夫が「甘やかされている」状態だと思います。

この家庭環境で育つ息子が「母親が家事をやるのが当たり前」と思わないように、息子には意識的に掃除、洗濯、料理、と一通り仕込んでいますが、将来ドイツ女子に対して「え!?これやってくれないの!?」と軋轢が生じるのではと懸念することもありました(考えすぎか!?)

 

私の姿をどう思っているかわかりませんが、誉め言葉的な「いい奥さんになりそう」に反発する感覚を持ってくれていて、かなり安堵している私です。