例年はブラスバンドやバトントワラーズ、様々な団体の行進や工夫を凝らした山車とそこから投げられるお菓子、仮装して集まる人々で賑わう2月のカーニバル。
今年は多くはコロナ禍で中止になったそうですが、デュッセルドルフのカーニバルの政治風刺の山車の写真が新聞に掲載されていました。
(今年は混雑しないよう、人の行進やお菓子撒きはせず、山車だけが距離を空けて街を回ったそうです)
…なんかね、毎年のことですが、こういった政治風刺、純粋に面白いとは思えないし、好きじゃないんですよ。下品で、イヤーな感じ。
ドイツ人はこういうの大喜びの大笑いなんだな、ってのもわかるんですが…
フランスの風刺画も国際社会で物議を醸しますが、ドイツだってなかなかエグい。
表現の自由、とか、政治や世相を斬る!といっても、どうにも承服できないこの気持ちは何だろう?
と思っていたら、腹落ちする記事を書いてくださってたのは日独ハーフのサンドラ・ヘフェリンさん。
2015年、フランスでのイスラム風刺画に端を発するテロ事件の背景にある文化の違いについての考察で『欧州のような「言論の自由のためには、相手が傷つくかもしれない事にイチイチかまってはいられない」というな考え方』との部分にはもう素直に150%同感。
自分がドイツで受けた経験(屈辱)を重ねつつ苦笑を禁じえませんでした。
以下、記事から一部抜粋。
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今回の風刺画問題を考えるとき・・・「自分たちにとっての文化」が果たして「相手にとっては受け入れられる文化なのかどうか」というのが論点になってくる
個人的に思うのは、風刺画も含む「冗談」って、「そこそこ仲が良い」「そこそこ関係が良い」からこそ成り立つ部分もあると思うのです。
イスラム世界や日本では風刺画という文化は、実質的にはないに等しいです。
そんな、日頃から風刺画に慣れておらず、風刺画にあまり縁のない人たち(イスラム教徒の人々)が、自分たちの信じる宗教を、風刺画によって面白おかしく茶化されたら、深く傷つく、というのもよく理解できるのです。(だからといって過激派がテロを起こすのは論外ですが。)
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今回は宗教や民族を風刺するものではありませんが、サンドラさんの記事は、欧州の「風刺画」に対する、私の腑に落ちない思いを代弁してくれたような思いがしました。