我が町には、年に一度、巡回刃物研ぎ屋さんが来ます。
キャンピングカーのようなものでやって来て、二日間、まちの中心のマルクト広場に滞在。
1日目に依頼物を持参し、翌日受け取りというシステムです。
キッチンナイフ2本で15ユーロ。正直、安いのか高いのかわかりません…。
最初、25ユーロと言われたのですが「以前お願いした時は庭用の草木ばさみとナイフ2本の3点で18ユーロでしたよ。2本15ユーロでできませんか?」と食い下がってまけてもらいました。
車の中に研ぎ機があり、男性が二人と小学生くらいの男の子一人。
男の子は受付番号の半券渡しや、受け取りの人への引き渡しをしています。
男性二人は、実はあまりドイツ語が通じません。使う言葉と言えば、お値段、受け取り、電話番号を書いて。といった程度ですが、通じてないかな?と不安に思わされる。そして歯が半分ほどない。
以前、「ジプシーは音楽、金物・家具修理などをしながらヨーロッパを流れている」と読みましたが、彼らはどうなのでしょう。
その辺で話しかけられたら少し身構えてしまいそうな感じですが、毎年決まった時期に来て、キチンと手入れして返してくれることはわかっているので、気にせずおねがいしています。
そして男の子。まだ夏休みシーズンではないのに、このキャラバンについてきてるということは、もしかして学校に行っていないの…?とは聞けませんが、気になります。
受け取りに行った時は、お手伝いで触った刃物で切ったのか、少し血の滲むキッチンタオルを指先に巻いていたのが痛々しかった。
日本で包丁研ぎセットも買ってきてはいるのですが、なかなか思うように切れ味を取り戻さないので、お手入れしてもらったおかげでスッキリ気持ちよく切れるようになりました。
彼らはまた違う街へと移動していきました。あの男の子、ああやってずっと旅しているのかな。考えすぎかしら。