読書は大好きで常に何かしら読んでいるのですが、何せ記憶力が頼りないアラフィー。
読み終わってしばらくすると「あれ、面白かったんだけど、どんな話だったっけ?」と、果たして読んでいる意味があるのかというくらい、覚えていないことが多くなってきました。
そんな私の記憶にもバッチリ印象に残った本、3冊をご紹介します。
キンドルのおすすめがきっかけで、いずれも初めて読んだ作家さん達。
まずは奥田英朗さん「邪魔」
サスペンスや犯罪小説にはあまりハマらないタチなのですが、気づけば上下巻とボリュームたっぷりの本を読了。
平凡なサラリーマンとパート主婦、子供二人の家庭がじわじわと危険に晒されていきます。
発端は夫の会社でのボヤ騒ぎ。経理担当の夫に疑いがかけられ、家庭を守るのに必死な妻も、その必死さゆえに悪い方向へとはまっていきます。
私的には、特に印象に残ったのがスーパーのパート主婦である妻が、パートの条件改善のための運動に他店の活動家パート主婦からリクルートされて真剣な思いでアクティブな活動家になるも、実際の意図は違うところにあり、梯子を外されて取り残されてしまうところ。
また、その活動に対し店側から「主婦の自分探しでこういうことにのめり込まないでくれる?」というようなことを言われる場面は胸が痛くなりました。
お次はガラッと変わってコミカルな本。
優雅なお屋敷を訪ねてくる百貨店の外商さんからアレコレお買いものをする「上流階級」ってどんな感じ?と野次馬的好奇心で読み始めました。
知らなかったのですが、ドラマにもなっているんですね。
竹内結子さん、イメージにピッタリ…
この本を読んでいる最中、東急百貨店本店の閉店というニュース。
驚いて確認したら、この本の出版はちょうど10年前、2013年なのですね。
店舗は厳しくても、富裕層向けの外商ニーズはまだまだ健在なのかしら。
「その手をにぎりたい」はしっとりとした読了感。
私が大卒で入社したのはバブル後でしたが、バブル期は派手にやらかしていたことで有名な業界・企業だったので、入社の頃はその残り香がそこはかとなく漂っていました。
先輩の武勇伝や景気のいい思い出話を少し鬱陶しく思いながらも「へええ〜」と聞いていたものです。
そんなバブル期を牽引した東京の不動産業界で働く地方出身の女性の物語。
とはいえジュリアナで踊り狂うイケイケな話ではありません。
細やかな心の動きや当時の環境の描写に懐かしさや共感を感じつつ、じんわりと温かな気持ちが残ります。はー、美味しいお寿司が食べたい(笑)