ドイツの森の散歩道 2020〜

ドイツ生活はや10年以上。これまでのブログはexcite blog「ドイツの森の散歩道」

一時帰国で気になったこと ひざまずき接客

日本滞在の何がいいって、「不快な目に遭う頻度が低いこと」…。

ドイツでは、外食したり買い物したりと外出した際に、店員や通りすがりの人の雑な態度に嫌な思いをさせられたり、はたまた衛生的に「ええっ、それ手づかみ?」のようにショックを受けたりといったことが日常茶飯事。

そういった点では、日本では本当に心穏やかに過ごすことができます。

 

 



 

ですが、気になるのが日本の「ひざまずき接客」。

今回の滞在中で遭遇した例で言うと、靴屋さんでの試着、ソファのような低めの椅子で対応してもらった眼鏡店、そして夜景の綺麗なバーラウンジ。

低い位置になるお客さんと同じ目線になるように、また上から見下ろし居丈高にならずコミュニケーション取れるように、そして何より丁寧なおもてなしの演出という意図はわかるのですが。

こちとら王族でもあるまいし、はたまた耳が遠いお年寄りでもないし、そんなひざまずいてくれなくてもいいんですよ…。

 

中でも腑に落ちなかったのがバーラウンジでの接客。

夜景で有名な高層ビル、照明を落とした店内はふかふかのソファ席が間隔をたっぷりと空けて配置されている、贅沢な空間です。

受付も仕立てのいいスーツでパリッとしたホテルの支配人のような雰囲気の男性、席に着くと見目麗しいお姉さんがメニューやお絞りを持ってきてくれ、その度、恭しくひざまずくのはセレブな雰囲気にも合ってはいたのですが。

 

「こちらのビールはどのくらいのサイズですか?」「『本日のパスタ』はなんですか?」「『本日のデザート』は何がありますか?」

メニューについての質問をするたびに「…少々お待ちください」と立ち上がって、いちいち厨房に確認に行く始末。

そして戻ってきてはひざまづき、「本日のパスタはゴルゴンゾーラクリームのなんちゃら…」などと説明してくれるのですが。聞けば「本日の」メニューは、パスタもデザートも二種類ずつのみ。

いやいや、恭しくひざまずく以前に、たった二種類ずつの今日のメニューくらいホールに出る前に確認しておいてよ、って話です。なんか丁寧さが明らかにポーズだけで、丁寧のポイントずれてません???

 

席についても何十分も放っておかれることも珍しくないドイツと、どちらがいいかって言えばまあ、いうまでもありませんが(苦笑)、日本のひざまずき接客、お客に必要以上に丁寧で、またポイントがずれた過剰サービスに見えてしまい、かえって申し訳なかったり、居心地が悪く感じてしまいます。

ちなみに、ひざまずく、って「跪く」=足が危ない、って書くんですね。

ほんと、そこまでしてくれなくていいんですよ…