昨日、いつものように朝食をとりながらドイツの報道メディア“Welt" のオンラインニュースのliveを見ていました。
すると。
突然、画面に大映しになったのは、黄色っぽく変色した大人の裸足の足。
それがステンレスの棚に何段も並んでいるのです。
ちょうど、ファーストフードの食べ終えたトレイを置く棚の大型版のような棚。
え???
一瞬、鶏肉か何かと思い画面に顔を近づけると、紛れもなくニンゲンの足裏です。
ええ、コロナで亡くなった人の処置が間に合わない遺体保管所の様子なのですよ。
ドイツではない他国でしたが、これを画面いっぱいのドアップにするドイツメディア。リアルすぎて、食欲が失せました…
日本の震災の時も感じたのですが、日本は遺体安置所で棺や毛布、シートに包まれた状態の映像はあっても、体そのものを放映しているのは目にしなかったと思います。ニュース雑誌でも然り。
けれど、こちらの新聞・雑誌・テレビの報道では、津波で亡くなり、家の中で倒れている状態の人の写真が顔までモザイクやボカシなしで掲載されていました。知人だったらすぐ判別できるくらいに。いくら遠いガイコクの災害だって死者にも尊厳があるのに、顔をこんなに思い切り晒すとは、なんてデリカシーに欠ける人たちなの…と、かなり嫌な気持ちになりました。自分や家族が侮辱されたかのように。
日本の朝のニュースで(朝だけとは言わず…)ズラリと並ぶ遺体の生の体の一部でも晒したら、非難殺到、大問題になるのではないでしょうか。
リアルでストレートな表現を好む(というか、そうしないと伝わらない)ドイツ、一方でストレートで強い表現を避け、丁寧かつ回りくどい表現から本当の意味や様子を想像し理解することが良しとされる日本。
この感覚、ほんとドイツと日本はかけ離れています。
朝のニュースだけでなく、これまでにも多くの場面で、ドイツのその直截で剥き出しの表現に辟易させられたことは数えきれません。
ただし。日本は”隠しすぎ“と感じる時もあります。
日本のニュースや政治家のコロナ対策の発言は、どうにもソフトで周りくどい印象です。
こんな事態では、まずは現実を直視し強い表現で認識することが危機感の共有となり、行動の出発点になるのではと思っています。