ドイツの森の散歩道 2020〜

ドイツ生活はや10年以上。これまでのブログはexcite blog「ドイツの森の散歩道」

人生十指に入るキツイ経験:ドイツで検査入院

健康が最強の取柄な私ですが、ドイツで大学病院に5泊6日の検査入院をしたことがあります。

 もう、これが人生10指に入るであろうキツイ経験でした。。。

 

日本の風邪薬ルルと一緒に服用してしまったドイツのホメオパシー薬、St Johns Wortが合わなかったのか、アナフィラキシーショックを起こしたのです。(ホメオパシーを毎日服用している期間に風邪をひき、意識せずにルルを飲んでしまった)

あれよあれよという間に赤い発疹が全身に広がり、手のひら、足の裏までびっしりと発疹。幸い呼吸や熱は変化がなかったのですが。

 

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症状が治まった後、原因をつきとめる入院を勧められました。

次回、アナフィラキシーを起こした原因物質が体に入るともっと重篤な反応になる可能性がある、と。

 

スマホタブレットを持つ以前の2010年のことです。

二人部屋に入れましたが病棟内ではネットはできず、ひたすら読書やドイツ語参考書を開いて時間をつぶしていました。

 

何よりストレスだったのは、看護婦さんの当たりがいちいちキツい!

「白衣の天使」なんて言葉は吹っとびます(笑)。

ずっとつけている点滴がなくなりそうだったのですが、巡回でチェックしてくれるでもなく。自分からナースステーションに出向き、背を向けている看護婦さんに「あのーー。。」と声をかけると「私の手は2本しかないのよ!今忙しいの!」とつっけんどんな言葉が返ってくる。

そんな言葉投げつけられるの人生で初めてです。

はいはい、手が2本なのは見えてますよ。私に気づかなそうなので(気づきたくないだけ??)終わったら来てもらおうと思って声かけただけだってば。

 

入院していれば、「xxさん、お熱はかりますよ~」「お薬の時間ですよ~」などと担当の看護師さんがアレコレ世話をやいてくれるものと思いきや。。。基本放置!!!

 

原因物質を突き止めるための一日数回に分けて飲む数種類の薬を一日分どさっと渡されて困惑しつつ「これ、私が時間を見て飲むんですか?」と聞くと、当然と言わんばかりに「そうよ、自分でやって」と一言。ま、体も頭もぴんぴんしていての検査入院だから薬くらい自分で確認して飲めるといえばそうですが、まじですか。。。

 

気分転換になるはずの食事だって素っ気ないの一言。

特に私の場合、アレルギー物質をつきとめるため口にしていいのは決まった病院食のみ、外部の差し入れ持ち込み不可。

ドイツは朝夕は温かいものを食べないのは一般的。お昼がメインで一応メニューから選べるようにはなっていますが、パスタ、肉のソテー、野菜のピュレなど病気でなくとも食指が動かないものばかり。しかもわたしはアレルギー検査ということで選択肢はほぼなく、鶏むね肉のゆでたのがドンとお皿に鎮座したもの。

ああ、豪華な食事でなくていいからお茶漬け食べたい、白ご飯に納豆食べたい、緑茶飲みたい。。。

甘いものは食べられず、朝ごはんに出てくるはちみつやジャムを取っておいて、耐えきれない午後にこっそり舐めていました。

そして夜ご飯は黒パンにハム、チーズがそれぞれぴらんと一枚ずつ。きゅうり、トマト、クリームチーズがついた日もあったかな。

いずれにせよ、ドイツの習慣に則って調理した温かいものは無しの冷たい食事。これは日本人には辛い。

 

何かの収容所や動物園でなく立派な大学病院でこの扱いですよ。

 

食事はほぼエサ、看護婦さんには毎度邪険にあしらわれ、ドイツ語の壁で同室の人と世間話もままならず。。。

もうね、気が滅入るどころの話ではありませんでした。

 

皮膚科だったので、廊下では乾いた皮膚をパラパラ落としながらヨタヨタ歩き回る老婦人、ガウンを全開でだらりとはおり半裸でトランクスだけの中年男性とトイレ前で鉢合わせ。。。露出狂?それともドイツではこれは当たり前なの? もう、イヤーーー!と叫びだしたくなったことも数回。。。

まあ、看護婦さんも基本元気な私にかまっていられないのは仕方ありませんが、あまりのストレスで半ノイローゼ。入院3日目で目の周りと首筋に湿疹が出始めてしまいました。

もう一週間入院しなさい、とか言われたら、絶対に点滴引き抜いて脱走してたと思います。

 

結局「コレ」という結果もわからぬまま、ストレス湿疹の薬をもらって退院して家に戻った時には、ほぼ廃人。

入院中はずっと点滴台をつけており、突然のショック状態に備えて病棟外に出るのは禁じられていました。そのため廊下を少し往復する以外はほぼ歩いていなかったので筋力がてきめんに落ちました。退院時には駐車場まで歩くのも夫に支えてもらうほど足元はおぼつかず、心身ともに疲弊しきって、このまま社会復帰ができないんじゃないかと思ったほどです。

 

そんな入院生活、唯一面白かったのは一度遭遇した教授回診。

白い巨塔」とかで見た場面の外国バージョンです。看護婦さんが「回診です!」と声をかけて病室を回り、患者はベットの上に座って待ちます。やがて教授らしき人を先頭にピラミッド型に研修医が並んで部屋に入ってきた様子に、おお、ドイツでもやっぱりこういうふうなんだ、と妙に興奮しました(笑)

 

ドイツ在住の他の方のブログを見ると、特に出産で入院した人は「看護婦さんもドクターも親切で、ドイツで出産できてよかった~、またドイツで産みたい」と書いてる人が多いようです。私の経験は「よかった~」から程遠く、正直金輪際ゴメンです。が、、、まあ、深刻な病気でなく、6日間とあらかじめリミットがあっての入院だったので良しとしなくてはいけませんね。