ドイツの森の散歩道 2020〜

ドイツ生活はや10年以上。これまでのブログはexcite blog「ドイツの森の散歩道」

読書:50歳で初就職、63歳でダンスチーム、80歳でピアスデビュー。大先輩のエッセイから学ぶ

諸先輩のエッセイがやたらと目につき、面白そうだなと思ったらいろいろと読んでいます。

 

印象に残った3冊。

 

『85歳のチアリーダー』 2017年出版

離婚後、50代でアメリカ留学。試験前には先生に「私はネイティブでないのでハンデがあります。試験時間を余分にいただけますか」と交渉しにいく。それを聞きつけた他の留学生が「私もお願いします」と頼みに行くも「彼女は自分で考えて一人で私に交渉しにきました。『私も』という安易な姿勢は受け付けられません」と断られていた。

 

63歳、未経験でシニアチアリーダーグループ結成。入会資格は「自称・容姿端麗」。

グループのルールの一つは「お土産配り禁止」。

主婦は親戚・ご近所付き合いや奥さん付き合いで十分そういった気遣いをしているのだから、自分の純粋な趣味の世界でそのような行動は不要。一人がお土産を配ると、どうしてもお返しを考えたり、持っていかないのが気まずくなったりする。だから全面禁止!…とはいえ、禁を破って持ってくる人は後をたたず、その都度「そういうことはおやめください」と何度も言って理解してもらうのに苦労した。

 

 

 

 

『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』2022年

 

 

こちらのお方は高校生のお孫さんのサポートで始めたyou tubeでまずは話題になり、書籍出版に繋がったとのこと。

65歳で調理師免許取得、80歳でピアスを開けたそうですよ。

お住まいはエレベーター無し団地の5階。朝のラジオ体操に始まり、着物リメイク、お習字、お料理など趣味も多彩。

流行りの極端な断捨離に走らず、思い出の品や手作り品を楽しく飾りながらも、すっきりと見えるお部屋にも好感が持てます。

 

 

 

最後は、私が「中年以降の生き方」を模索してシニアの方のエッセイを読みはじめた最初の本。当時は自分が50歳になるなんて都市伝説並みにフィクションの世界…なーんて思っていましたが(笑)気づけば真っ只中です…

 

 

「50歳からの楽しい楽しい一人時間」2009年出版

 

 

 

 

加賀百万石、前田家の血をひく、世が世ならお姫様の著者。

けれど大金持ちというわけでなく、実直な公務員と結婚、その後死別してから50歳で会社勤めを開始。

毎日の通勤服がないため着物でのOL生活。稼いだお金でカルチャーセンターで様々な習い事を試し、定年後は知的好奇心を満たすべく古典の講座も受講開始。

勉強するからには徹底的に、と予習復習も念入りに。

遊び心も忘れず、日帰りのバスツアー参加、ネイルは欠かさない、安くても楽しい気持ちになれる華やかな色の服を新調、お気に入りのティーカップでくつろぐ一時も大切にしている。

 

 

 

老後を楽しむには健康とある程度のお金が大前提ではありますが、これらのお三方に共通するのは

 

知的好奇心+行動力

おしゃれ心

50代から楽しんでいる趣味

健康法はストイックでなく自分の心地よさ優先

 

の4つかな、と思います。

「もう歳だから今更ねえ…」と自分を見限らず、ネイルを欠かさなかったり80歳でピアスを開けたり、と前向きなチャレンジ精神は見習いたい。

例えば、60歳とか80歳で「医者になる!」っていうのはたぶん無理にしても、ネイルやピアスなら自分が躊躇わなければ可能ですものね。

 

50代になって、私もともすると「今さらなあ…」とブレーキをかける気持ちが顔をのぞかせます。

けれど、小さなチャレンジの積み重ねが自分を作っていくことは、若い頃も今もおなじはず!

 

若い頃一度諦めたピアスをやっぱり開けてみようかな、と思い始めました。